10. 騒音・振動・悪臭対策:感覚公害規制の概要をみる

騒音規制法は工場・事業場と建設作業等の騒音を規制、自動車騒音対策も

「感覚公害」とも呼ばれる騒音・振動・悪臭は、苦情の多い公害として知られています。中でも騒音は典型7公害の中でも苦情の受付件数が最も多くなっています。

工場・事業場における事業活動や建設工事に伴って発生する騒音を規制する法律が「騒音規制法」です。

工場・事業場の騒音規制では、まず都道府県知事や市長が、住居、学校、病院などがある地域を「指定地域」として定め、指定地域内で「特定施設」を設置・変更等を行う場合に、工事開始30日前までに市町村長へ届け出ることが義務づけられます。特定施設としては、金属加工機械や送風機など著しい騒音を発生する11施設が政令で定められています。特定施設のある「特定工場等」における規制基準値は、環境大臣が定める基準の範囲内で時間及び区域の区分ごとに定められており、市町村長が、規制対象となる特定施設等に関して必要に応じて改善勧告や改善命令を行います。改善命令に違反した特定施設の設置者に対して、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金を科すなどの罰則もあります。

一方、建設作業騒音については、指定地域内でくい打機など政令で定める建設作業を行う場合に、工事開始の7日前までの届出と規制基準の遵守が義務づけられます。騒音規制法はまた、自動車騒音に関する許容限度を定めているほか、深夜騒音等の規制を行っています。

工場・事業場と建設作業、道路交通に伴う振動を規制する振動規制法

振動規制法も、工場・事業場における事業活動や建設工事に伴って発生する振動を規制しています。規制方法は騒音規制と同様に、都道府県知事等が振動を規制する地域を指定し、環境大臣が定める基準の範囲内で時間及び区域の区分ごとの規制基準を定め、市町村長が規制対象となる特定施設等について必要に応じて改善勧告や改善命令を行います。

振動規制法の特定施設は、液圧プレス機等の金属加工機械など、著しい振動を発生する10施設が政令で定められています。特定施設の設置者に対する改善命令に違反した場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。

建設作業振動については、指定地域内でくい打機など政令で定める建設作業を行う場合に、工事開始の7日前までの届出と規制基準の遵守が義務づけられます。このほかに、道路交通振動に関する規制を行っています。

悪臭防止法による規制は特定悪臭物質と臭気指数の二本立て

悪臭防止法は、都道府県知事等が定める規制地域内に工場・事業場を設置する事業者に対して、事業活動に伴って発生する悪臭について規制基準の遵守を求めています。対象施設を限定せず規制地域内の全事業所を対象とする点が、騒音規制法や振動規制法との最大の違いです。

規制基準には「特定悪臭物質」に関するものと、「臭気指数」によるものの2種類があります。特定悪臭物質は、不快なにおいの原因となり生活環境を損なうおそれのある物質のことで、政令によりアンモニアなど22物質が指定されており、対象物質ごとに濃度基準を定めて規制しています。

一方、臭気指数は、人間の嗅覚によってにおいの程度を数値化したもので、敷地境界線、気体排出口、排出水のそれぞれについて基準が定められています。かつては特定悪臭物質による規制のみでしたが、複合臭や未規制物質による悪臭に対応するため、平成7年の法改正で臭気指数規制が導入された経緯があります。

規制地域内に事業場を設置する者は、悪臭を伴う事故が発生した場合には直ちに市町村長に通報し、応急措置を講じなくてはならず、市町村長は事故時の状況に応じて応急措置命令を発します。市町村長はまた、規制地域における大気中の特定悪臭物質の濃度や大気の臭気指数について必要な測定を行います。

市町村長は、事業場において規制基準に適合せず、住民の生活環境が損なわれていると認める場合には、改善勧告や改善命令を行います。改善命令に違反した者を1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に科すなどの罰則もあります。

📚 参考①:騒音対策について(環境省)http://www.env.go.jp/air/noise/noise.html
📚 参考②:振動対策について(環境省)http://www.env.go.jp/air/sindo/sindo.html
📚 参考③:におい対策・かおり環境について(環境省)http://www.env.go.jp/air/akushu/akushu.html